最近観た映画


「ゆれる」http://www.yureru.com/

やっと観ました。。。
田舎から出てカメラマンとして成功する弟、田舎で家業を継ぎ、誰からも慕われる兄。
どちらも客観的に見れば充分幸せに、自分の人生を生きているようなのに、吊橋で起きたある事件をきっかけに、それぞれが抱える焦燥感や嫉妬があきらかになるという・・・簡単に言うと。


兄を演じる香川照之が、時間を追ってあらわになってくる人間の本性をこれでもかと見せつける。それは、一枚一枚ゆっくりと皮をはがしていくように。そして現れるのは、人間がココロの奥底に持っている黒いモノ。ううう、その演技力、日本で一番!
オダギリジョーは、見目麗しい。美しさの中にある黒いモノは弟も持っているんだけど、兄とは違って冒頭からあらわになってるっていう対比なのね。


話自体はどんでん返しもなく、ラストシーンは予想通りでしたけど、観ているこちら側のココロを揺さぶるに充分な内容でした。要所要所にグッとくるカットがあって、監督のセンスのよさが光ります(例えば、弟と幼なじみのおねえちゃんがチョメチョメしてるときの、オダギリジョーのセリフ「ほら○○だせよ」とか、3人で弟の車に乗ってる時の音楽とか、弟の「車動かないんだよー」っていう場面とか)。


音楽がまたよくて。カリフラワーズいいですね。あとキム兄のたたみかけもよかった。


奪うこと、奪われること。信じること、裏切られること。日ごろ見たくない、忘れたい人の嫌な部分を見せつけられるので、充実感はあるのに嫌な後味です。




サンキュー・スモーキングhttp://www.foxjapan.com/movies/thankyouforsmoking/

10月公開予定ですが、ちょいと一足お先に観せていただきました。
いやー、予想に反して(社会派、って聞いてたから、ボウリング・フォー・コロンバインとかああいう感じかと勝手に思ってた)サイコーに笑えたコメディでした。ホントに面白い。


主人公はタバコ業界を代表するスポークスマン。禁煙運動が高まり逆風が強まる中、ものすごい喋りのテクニック(論理のすりかえ)でタバコ業界のために貢献しているという人物。もちろん敵も多いので・・・っていう展開。


主人公はホントにイヤなヤツなんだけど、チャーミングで憎めない。タバコ擁護の発言も小気味良くて、タバコ反対派が彼の口で追い詰められていくのが、だんだん楽しくなっちゃう。


タバコがテーマ、というよりは社会の悪のタバコをめぐって、政治やマスコミやいろんな人が自分の利益のために大騒動を繰り広げるのを、皮肉ってて面白い。テンポもよくて、ツッコミもうまい(トムとジェリー内のドルーピーみたい←わかりづらい?)。


出てくる人々もみんなヒトクセもフタクセもあって飽きさせません。こんだけタバコとか言ってるのに喫煙シーンはひとつもなし。若干29歳の監督のデビュー作とは思えないほど、完成度高いです。