香川照之「日本魅録」

会社の仕事仲間にひょんなことから借りることになったこの本。
キネマ旬報で連載してるなんて、恥ずかしながら知りませんでした。
もともとはこの人東大出てますし、ご本人も著書の中で左脳人間で言語で論理的に考える、と触れているくらい、文章からもクレバー臭がただよってきます。
でも、そこはやはり役者。映画人。
風景や情景、人間の描写にいたるまで、全て映像が脳内スクリーンに鮮やかに映し出され、迫力そのままに押し寄せてくるような錯覚さえ覚えます。ちょっと、たまに比喩や表現に酔っているようなところも見受けられるけど、でも撮影現場という、ともすれば彼のような一流の役者でさえ、理性もプライドも何もかも吹っ飛んでしまうような過酷な中で、客観的に的確に物事や人を見つめる感覚は恐れ入ります。
しかも、役者論、演技論もわかりやすく、というか素人の私でさえ知ったかになれるようなくらい噛み砕いて表現されています。
そして、映画や作品にかけるアツい意気込みが、これでもかとアツい中燃え滾り、そういった裏事情をほんの少しだけ覗き見て(まさに家政婦は見た状態)、またその映画を観たくなるという本です。
あー、すごい。役者って、監督って、映画ってすごい。
個人的にものすごくタイムリーでした。もっと演技論とか組み立て方とか、役へのアプローチの仕方とか聞きたい聴きたい!って感じです。
これは2005年までの連載をまとめたものなので、今もまだ雑誌の連載は続いています。是非続巻を希望します!!・・・ということで、既に2週目に突入したこの本。


思わず、山崎努著「役者のノート」を注文し、中谷美紀著「嫌われ松子の一年」を読み返している、影響われやすいワタクシです。



そして、この件に関してはまだ続きがあるのよん☆(ほくそ笑み)